がん化を促進するセントロメア機能異常を解析する実験系の開発と応用

国立遺伝学研究所　分子遺伝研究部門　堀　哲也　助教
(平成22～24年度計画)

研究の狙いと期待効果

異常な細胞分裂は細胞のがん化を誘起しますが、細胞分裂で中心的役割を担うセントロメアの構造・機能等の詳細は十分に分っていません。本研究によるセントロメア構造と機能の総合的な理解、およびそれを基礎にした染色体分配にかかわる様々な分子機構の解明により、がんの診断・治療に新たな道を開く土台となる指針の提供とともに、生物学分野に広く応用される基礎的知見となることを目指しています。

前年度までの進度

セントロメア領域の各種たんぱく質の同定と、それらの一部については立体構造の把握も行い、それによって細胞分裂における役割機能を解明しました。

平成24年度の成果

新たな蛋白質を同定するとともに、同定した蛋白質の立体構造把握とそれによる細胞分裂における役割機能解析を更に詳しく行ないました。
この研究活動でがんの診断・治療に新たな道を開く学問的な知見を提供出来ると共に、セントロメア蛋白質をターゲットとした診断用抗体や治療薬の製品化に寄与出来ます（１０種程度上梓済み）。